「アイソレーションキーボード」の版間の差分
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2016年4月15日 (金) 03:23時点における最新版
アイソレーションキーボード(英語:isolation keyboard)とは、隣接するキーの間に広く間隔をあけ、格子状のフレームを埋め込んだキーボードのことである。
概要[編集 | ソースを編集]
アイソレーションとは日本語で「分離」という意味である。1個1個のキーが分離独立して見えるのでこのように呼ばれている。 他にアイソレーションという単語は、データベースにおけるトランザクションの強度を表す分離レベル(Isolation Level)などでも使われている。
キーが分離独立しているためキートップが小さく見えるが、これはトリックアートのようなものであり従来のキーボードとは大きな違いはなく、またキーピッチも従来のキーボードと大きな違いはない。
流行[編集 | ソースを編集]
アイソレーションキーボードは1980年代に日本電気のPC-6001(通称パピコン)やカシオのMSX(PVシリーズやMXシリーズ)などで大流行していたキーボードの形状である。なお、カシオのPV-16はキートップがゴム製で最悪の押し心地であった。いうなれば初期のファミコンのコントローラーである。
1990年代には絶滅危惧種となり見かけることは極めて少なくなっていたが、2006年にアップルがMacBookにおいて採用したことで再び認知され、2012年現在、ふたたび大流行している。いまやノートPCはアイソレーションキーボードしかないくらいの状況となっている。
方言[編集 | ソースを編集]
アイソレーションキーボードには様々な方言があり、各社各人好き放題に呼んでいたが、最近では方言も減ってきた感がある。
- 主な方言
- 浮石キーボード
- チクレットキーボード(お菓子のガムっぽいキーボード)
- キャラメルキーボード(お菓子のキャラメルっぽいキーボード)
利点と欠点[編集 | ソースを編集]
剛性の向上[編集 | ソースを編集]
アイソレーションキーボードは建築物の耐震補強に使う格子状の鋼製枠の概念をキーボードに持ち込んだもので、格子状の柱を張り巡らすことで、筐体を薄くした際に問題となる剛性を高めることを主目的としている。
かつてノートパソコンで広く使われていたパンタグラフキーボードでは、剛性を上げようとするとキーボードの下側(裏側)を強化しなければならず、そのため厚く重くなり、逆に薄く軽くすると剛性が下がり打鍵するたびに キーボード全体がたわむという問題を抱えていた。その解決策として多くのメーカーがアイソレーションキーボードを採用するに至っている。
なお、流行に便乗しデザイン優先で格子状のフレームをかぶせてあるだけのインチキ商品も多く、当然のようにこれらでは剛性アップは望めないので注意すること。
ゴミが入りにくい[編集 | ソースを編集]
アイソレーションキーボードは各キーと枠のすき間が小さいことから内部にゴミなどが入りにくい。
底打ち時の振動[編集 | ソースを編集]
薄く軽い必要性など一切ない普通のキーボードにおいて、デザイン優先で使われている製品も見かけるが、これらで問題となるのが筐体の軽さからくる底打ち時の振動である。
ノートパソコンであればノートパソコン自体の重量があるため大きな問題となることは少ないが、独立した普通のキーボードでは軽さによる底打ち時の振動は絶望的な結果となる。それらは身体的な疲労などを考慮すると長時間の使用には堪えず、回避することが望ましい。
メンテナンス性の悪さ[編集 | ソースを編集]
一般的にアイソレーションキーボードは分解が難しくメンテナンス性が悪い。とくにノートパソコンでは筐体と完全に一体化しているものが多く、交換なども絶望的である。パンタグラフキーボードを大人買いし3か月ごとに使い捨て交換していたような人にはオススメできない。