「SL Sharp」の版間の差分
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2013年3月27日 (水) 07:52時点における版
SL#(えすえるしゃーぷ)とは、GPUで実行されるプログラマブルシェーダーを、超高級言語であるC#で書けてしまうという夢のようなオープンソースのフレームワークである。ライセンスはMITライセンスとなっている。
概要
SL#の一番の核となる機能は、.NET Frameworkの世界で使われている中間コード形式である共通中間言語(CIL)を、DirectXで使われるHLSLやOpenGLで使われるGLSLなどの各種高級シェーディング言語に変換するエンジンにある。
この変換エンジンはSL#に同梱されるクラスライブラリを使用(継承)して作られたシェーダーをCILの中から自動抽出し、対象となるシェーディング言語に変換する。これによりHLSL(DirectX)とGLSL(OpenGL)の非互換の垣根を超えることができ、Windows上で開発したプログラムをLinuxやMac OS X上のMonoで動かす際に桁違いに捗ることを意味する。
さらにHLSLやGLSLといったシェーディング言語に変換されたソースコードは、内部的に各種シェーディング言語のコンパイラにより暗黙的にコンパイルされたのち、自動的にGPUに送り込まれる。このためプログラマーはGPUを深く意識する必要がない。
また、プログラマーはVisual StudioやMonoDevelop、SharpDevelopといった使い慣れた統合開発環境を使用でき、コード補完や構文チェックなどの恩恵を受けることができる。さらにシェーダーはC#のコンパイラで事前に検証されるため実行時エラーを最小限に抑えることができデバッグが捗るという利点もある。
備考
SL#はまだ実験的なライブラリであり、将来的に構文が変わる可能性などもあるので注意する必要がある。
SL#に関する不具合などについては可能な限りGitHub上の同プロジェクト宛てに報告してほしいとしている。
現段階ではジオメトリシェーダーはサポートされておらず、またC#以外のプログラミング言語(F#やBoo言語、Phalangerなど)については完成度が高まってからのサポートとなる予定であるとしている。
関連ライブラリ
SL#は下記のライブラリを使用している。
- Mono.Cecil - CILのバイナリをごにょごにょいじくり回せるライブラリ
- ICSharpCode.NRefactory
- ICSharpCode.Decompiler
実のところ、巷で話題のゲームエンジン「Unity」がCILからFlashを生成するなどのマルチプラットフォーム対応を実現するために使っているライブラリ群とほぼ同一である。