「Turbo Pascal 1.0」の版間の差分
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現在、Turbo Pascal 1.0は[[エンバカデロ・テクノロジーズ]]社([[ボーランド]]社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。恐ろしいことに[[Windows 7]]でも普通に動く。 | 現在、Turbo Pascal 1.0は[[エンバカデロ・テクノロジーズ]]社([[ボーランド]]社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。恐ろしいことに[[Windows 7]]でも普通に動く。 |
2014年3月17日 (月) 01:28時点における版
Turbo Pascal 1.0は、1983年11月20日に発売されたTurbo Pascalシリーズで一番最初のバージョンである。
概要
Turbo Pascal 1.0はCP/M版とPC-DOS版の2種類のOSに対応し、動作に必要なメインメモリの量はわずか64KBであった。
Turbo Pascal 1.0のコンパイラ(TURBO.COMファイル)は、ソースコードをコンパイルして出来上がる実行ファイル(.comファイルおよび.chnファイル)のサイズは最大64KBまでという制限があったが、CGA(最初期のビデオカード)によるグラフィクス関連APIや、ビープ音を簡単に制御するサウンド関連のAPIを標準でサポートしており、コンピューターグラフィクス、ひいてはコンピューターゲームの開発をより身近な物にした。
なお、このバージョンの時点では後のTurbo製品群の象徴ともいわれる青い背景の統合開発環境は搭載されておらず、テキストベースのメニュー画面となっている。
Turbo Pascal 1.0はデンマークに本拠地をおくポリデータ社(Poly Data社)が開発したもので、ポリデータ社の社長はアンダース・ヘルスバーグが務めていた。なお後にアメリカに渡った相方のフィリップ・カーンにより設立された米国法人のボーランド社に統合されている。アンダース・ヘルスバーグはTurbo Pascal 1.0から始まるTurbo Pascalシリーズの全バージョンと、Delphiのバージョン3までの開発を指揮した。
現在、Turbo Pascal 1.0はエンバカデロ・テクノロジーズ社(ボーランド社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。恐ろしいことにWindows 7でも普通に動く。
動作環境
- Intel 8086 または Zilog Z80 マイクロプロセッサーを搭載したコンピューター
- 64KBのメモリー
- 5.25インチ・フロッピーディスク向けのPC-DOSまたはCP/M
- 8インチ・フロッピーディスク向けのCP/M
内容物
Turbo Pascal 1.0は1枚のフロッピーディスク(FD)で出荷販売されていた。 PC-DOS版は5.25インチFD、CP/M版は5.25インチFDと8インチFDの2種類のバージョンが存在したという。
ファイル数は全部で10個、ディスク使用量は計131,297バイト。そのうちコアとなるコンパイラおよびランタイム(run-in-memory systemという名称)が33,280バイトとなっている。
- TURBO.COM - コンパイラーおよびエディター
- TURBOMSG.OVR - エラーメッセージファイル
- TINST.COM - 開発環境のインストールプログラム(いわゆるインストーラー)
- TINSTMSG.OVR - TINST.COM用のメッセージファイル
- TLIST.COM - program lister
- ERROR.DOC - Turbo Reference Manualという名のマニュアル
- CALCMAIN.PAS - ディスク使用量を表示するサンプルプログラム
- CALC.PAS - MicroCalcというスプレッドシートのサンプルプログラム
- CALC.HLP - MicroCalcのマニュアル
- CALCDEMO.MCS - MicroCalcのサンプルデータ
関連項目
- Turbo Pascal
- Dephi
- C#
- Free Pascal - マルチプラットフォームかつ64ビットなどもサポートしたオープンソースな互換品
- プログラミング言語
- 不完全にしておよそ正しくないプログラミング言語小史
参考文献
外部リンク
- Turbo Pascal 1.0 のダウンロード
- Borland MuseumのTurbo Pascal 1.0ページ