「Turbo Pascal 1.0」の版間の差分

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Turbo Pascal 1.0は[[CP/M]]版と[[PC-DOS]]版の2種類の[[OS]]に対応し、動作に必要な[[メインメモリー]]の量はわずか64KBであった。
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Turbo Pascal 1.0は[[CP/M]]版と[[PC-DOS]]版の2種類の[[OS]]に対応し、動作に必要な[[メインメモリ]]の量はわずか64KBであった。
  
Tubro Pascal 1.0の[[コンパイラ]](turbo.comファイル)は、[[ソースコード]]を[[コンパイル]]して出来上がる[[実行ファイル]](.comファイルおよび.chnファイル)のサイズは最大64KBまでという制限があったが、[[CGA]](最初期の[[ビデオカード]])によるグラフィクス関連APIや、[[ビープ音]]を簡単に制御するサウンド関連のAPIを標準でサポートしており、[[コンピューターグラフィクス]]、ひいては[[コンピューターゲーム]]の開発をより身近な物にした。
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Turbo Pascal 1.0の[[コンパイラ]](TURBO.COMファイル)は、[[ソースコード]]を[[コンパイル]]して出来上がる[[実行ファイル]](.comファイルおよび.chnファイル)のサイズは最大64KBまでという制限があったが、[[CGA]](最初期の[[ビデオカード]])によるグラフィクス関連APIや、[[ビープ音]]を簡単に制御するサウンド関連のAPIを標準でサポートしており、[[コンピューターグラフィクス]]、ひいては[[コンピューターゲーム]]の開発をより身近な物にした。
  
 
なお、このバージョンの時点では後のTurbo製品群の象徴ともいわれる青い背景の[[統合開発環境]]は搭載されておらず、テキストベースのメニュー画面となっている。
 
なお、このバージョンの時点では後のTurbo製品群の象徴ともいわれる青い背景の[[統合開発環境]]は搭載されておらず、テキストベースのメニュー画面となっている。
  
Turbo Pascal 1.0はデンマークに本拠地をおくポリデータ社(Poly Data社)が開発したもので、ポリデータ社の社長は[[アンダース・ヘルスバーグ]]が務めていた。なお後にアメリカに渡った相方の[[フィリップ・カーン]]により設立された米国法人の[[ボーランド]]社に統合されている。
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Turbo Pascal 1.0はデンマークに本拠地をおくポリデータ社(Poly Data社)が開発したもので、ポリデータ社の社長は[[アンダース・ヘルスバーグ]]が務めていた。なお後にアメリカに渡った相方の[[フィリップ・カーン]]により設立された米国法人の[[ボーランド]]社に統合されている。[[アンダース・ヘルスバーグ]]はTurbo Pascal 1.0から始まる[[Turbo Pascal]]シリーズの全バージョンと、[[Delphi]]のバージョン3までの開発を指揮した。
[[アンダース・ヘルスバーグ]]はTurbo Pascal 1.0から始まる[[Turbo Pascal]]シリーズの全バージョンと、[[Delphi]]のバージョン3までの開発を指揮した。
 
  
現在、Turbo Pascal 1.0は[[エンバカデロ]]社([[ボーランド]]社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。
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現在、Turbo Pascal 1.0は[[エンバカデロ・テクノロジーズ]]社([[ボーランド]]社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。恐ろしいことに[[Windows 7]]でも普通に動く。
  
 
== 動作環境 ==
 
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* [[5.25インチ・フロッピーディスク]]向けの[[PC-DOS]]または[[CP/M]]
 
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* [[8インチ・フロッピーディスク]]向けの[[CP/M]]
 
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== 内容物 ==
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Turbo Pascal 1.0は1枚の[[フロッピーディスク]]([[FD]])で出荷販売されていた。
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[[PC-DOS]]版は[[5.25インチFD]]、[[CP/M]]版は[[5.25インチFD]]と[[8インチFD]]の2種類のバージョンが存在したという。
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ファイル数は全部で10個、ディスク使用量は計131,297バイト。そのうちコアとなる[[コンパイラ]]および[[ランタイム]]([[run-in-memory system]]という名称)が33,280バイトとなっている。
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* TURBO.COM - コンパイラーおよびエディター
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* TURBOMSG.OVR - エラーメッセージファイル
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* TINST.COM - 開発環境のインストールプログラム(いわゆるインストーラー)
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* TINSTMSG.OVR - TINST.COM用のメッセージファイル
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* TLIST.COM - program lister
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* ERROR.DOC - Turbo Reference Manualという名のマニュアル
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* CALCMAIN.PAS - ディスク使用量を表示するサンプルプログラム
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* CALC.PAS - MicroCalcというスプレッドシートのサンプルプログラム
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* CALC.HLP - MicroCalcのマニュアル
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* CALCDEMO.MCS - MicroCalcのサンプルデータ
  
 
== 関連項目 ==
 
== 関連項目 ==

2014年3月17日 (月) 01:29時点における最新版

Turbo Pascal 1.0は、1983年11月20日に発売されたTurbo Pascalシリーズで一番最初のバージョンである。

概要[編集 | ソースを編集]

Turbo Pascal 1.0 on Windows 7.jpg

Turbo Pascal 1.0はCP/M版とPC-DOS版の2種類のOSに対応し、動作に必要なメインメモリの量はわずか64KBであった。

Turbo Pascal 1.0のコンパイラ(TURBO.COMファイル)は、ソースコードコンパイルして出来上がる実行ファイル(.comファイルおよび.chnファイル)のサイズは最大64KBまでという制限があったが、CGA(最初期のビデオカード)によるグラフィクス関連APIや、ビープ音を簡単に制御するサウンド関連のAPIを標準でサポートしており、コンピューターグラフィクス、ひいてはコンピューターゲームの開発をより身近な物にした。

なお、このバージョンの時点では後のTurbo製品群の象徴ともいわれる青い背景の統合開発環境は搭載されておらず、テキストベースのメニュー画面となっている。

Turbo Pascal 1.0はデンマークに本拠地をおくポリデータ社(Poly Data社)が開発したもので、ポリデータ社の社長はアンダース・ヘルスバーグが務めていた。なお後にアメリカに渡った相方のフィリップ・カーンにより設立された米国法人のボーランド社に統合されている。アンダース・ヘルスバーグはTurbo Pascal 1.0から始まるTurbo Pascalシリーズの全バージョンと、Delphiのバージョン3までの開発を指揮した。

現在、Turbo Pascal 1.0はエンバカデロ・テクノロジーズ社(ボーランド社から開発部門が分社化された企業)の公式サイトにて、その伝説を記した資料とともに無料配布されている。恐ろしいことにWindows 7でも普通に動く。

動作環境[編集 | ソースを編集]

内容物[編集 | ソースを編集]

Turbo Pascal 1.0は1枚のフロッピーディスクFD)で出荷販売されていた。 PC-DOS版は5.25インチFDCP/M版は5.25インチFD8インチFDの2種類のバージョンが存在したという。

ファイル数は全部で10個、ディスク使用量は計131,297バイト。そのうちコアとなるコンパイラおよびランタイムrun-in-memory systemという名称)が33,280バイトとなっている。

  • TURBO.COM - コンパイラーおよびエディター
  • TURBOMSG.OVR - エラーメッセージファイル
  • TINST.COM - 開発環境のインストールプログラム(いわゆるインストーラー)
  • TINSTMSG.OVR - TINST.COM用のメッセージファイル
  • TLIST.COM - program lister
  • ERROR.DOC - Turbo Reference Manualという名のマニュアル
  • CALCMAIN.PAS - ディスク使用量を表示するサンプルプログラム
  • CALC.PAS - MicroCalcというスプレッドシートのサンプルプログラム
  • CALC.HLP - MicroCalcのマニュアル
  • CALCDEMO.MCS - MicroCalcのサンプルデータ

関連項目[編集 | ソースを編集]

参考文献[編集 | ソースを編集]


外部リンク[編集 | ソースを編集]