「スプライト」の版間の差分
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初期の[[コンピューター]]では[[ハードウェア]]の機能としてスプライトが用意されており非常に高速に処理することができた。拡大縮小や回転などをサポートするハードウェアも多く、それらも含めスプライトと呼ばれた。 | 初期の[[コンピューター]]では[[ハードウェア]]の機能としてスプライトが用意されており非常に高速に処理することができた。拡大縮小や回転などをサポートするハードウェアも多く、それらも含めスプライトと呼ばれた。 | ||
専用ハードウェアによるスプライトは[[ファミコン]]や[[スーパーファミコン]]、[[PCエンジン]]、[[メガドライブ]]などの世代までの[[家庭用ゲーム機]]でよく使われた。 | 専用ハードウェアによるスプライトは[[ファミコン]]や[[スーパーファミコン]]、[[PCエンジン]]、[[メガドライブ]]などの世代までの[[家庭用ゲーム機]]でよく使われた。 | ||
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+ | その代替手段として[[GPU]]による高速化を期待し以下のような手法が使われる。 | ||
+ | * [[平行投影]]かつ真上見下ろしの3Dのシーンを用意する | ||
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− | + | この手法は初代[[プレイステーション]]でよく使われた。ハードウェアスプライトのない[[プレイステーション]]の初期の[[ゲーム]]は後述のソフトウェア実装が使われており、2Dゲームに限れば[[セガサターン]]より劣化していることが多かった。後にこの手法が考案されてからは一気に逆転することとなった。 | |
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==ソフトウェアでの実装== | ==ソフトウェアでの実装== | ||
専用ハードウェアも[[GPU]]もない[[コンピューター]]では以下のような手順で[[ソフトウェア]]的に合成する。[[PC-9801]]や[[PC/AT]]、[[DirectX]]登場以前の[[フレームワーク]]の弱かった時代の[[Windows]]などでよく使われた。 | 専用ハードウェアも[[GPU]]もない[[コンピューター]]では以下のような手順で[[ソフトウェア]]的に合成する。[[PC-9801]]や[[PC/AT]]、[[DirectX]]登場以前の[[フレームワーク]]の弱かった時代の[[Windows]]などでよく使われた。 | ||
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*背景画像 | *背景画像 | ||
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最近の[[フレームワーク]]では表示画像の特定色を透明色として設定しておけば、マスク画像を用意しなくても自動的に合成してくれるものばかりなので、上記のような手順で合成することは少ないと思われる。 | 最近の[[フレームワーク]]では表示画像の特定色を透明色として設定しておけば、マスク画像を用意しなくても自動的に合成してくれるものばかりなので、上記のような手順で合成することは少ないと思われる。 | ||
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+ | == 関連項目 == | ||
+ | * [[MonoGameで直線を描画する]] | ||
+ | * [[R-TYPE I (PCエンジン)]] | ||
+ | * [[ボンバーマンクラブ]] | ||
+ | * [[NetGore]] | ||
+ | * [[Live2D]] | ||
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[[カテゴリ:画像処理]] | [[カテゴリ:画像処理]] |
2021年3月5日 (金) 02:46時点における最新版
スプライト(英語:sprite)とは、コンピューター上で画像を表示する際に背景画像と合成表示することをいう。
主にゲームで使われる技術であり、キャラクターを表示する際に背景をくり抜いて表示することをいう。その他にも動画の字幕などにも使われている。大雑把にいえばPhotoshopなどのペイントソフトによくある「レイヤー」とほぼ同じ概念である。
「透明色付き画像の表示」とでも覚えておけばいい。
目次
専用ハードウェアでの実装編集
初期のコンピューターではハードウェアの機能としてスプライトが用意されており非常に高速に処理することができた。拡大縮小や回転などをサポートするハードウェアも多く、それらも含めスプライトと呼ばれた。
専用ハードウェアによるスプライトはファミコンやスーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブなどの世代までの家庭用ゲーム機でよく使われた。
GPUでの実装編集
近年のコンピューターではスプライトがハードウェアで実装されていることはほぼない。
その代替手段としてGPUによる高速化を期待し以下のような手法が使われる。
この手法は初代プレイステーションでよく使われた。ハードウェアスプライトのないプレイステーションの初期のゲームは後述のソフトウェア実装が使われており、2Dゲームに限ればセガサターンより劣化していることが多かった。後にこの手法が考案されてからは一気に逆転することとなった。
ソフトウェアでの実装編集
専用ハードウェアもGPUもないコンピューターでは以下のような手順でソフトウェア的に合成する。PC-9801やPC/AT、DirectX登場以前のフレームワークの弱かった時代のWindowsなどでよく使われた。
- 準備するもの
- 背景画像
- 表示画像 = 透明部分を「0」で埋めた画像
- マスク画像= 透明部分を「1」、非透明部分を「0」で埋めた1ビットの画像
- 手順
- 背景画像とマスク画像をビット単位でAND演算する
- 透明部分は背景がそのまま残り、画像を描画したい部分だけが0でクリアされる。
- 表示画像と背景画像をビット単位でOR演算する
- 画像のピクセル列は前の操作で背景が消された領域にぴったりとはまる。
最近のフレームワークでは表示画像の特定色を透明色として設定しておけば、マスク画像を用意しなくても自動的に合成してくれるものばかりなので、上記のような手順で合成することは少ないと思われる。