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'''Intel 740'''とは、20世紀末の自作PC界を震撼させた[[インテル]]製の[[GPU]]である。
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'''Intel 740'''(通称:i740)とは、20世紀末の自作PC界を震撼させた[[インテル]]製の[[GPU]]および[[グラフィックボード]]である。
  
 
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[[ウンコ]]、いわゆる[[クソ]]である。
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[[ウンコ]]、いわゆる[[クソ]]である。最近[[SSD]]製品として非常に評判のよい[[Intel SSD 730]]シリーズと名称が似ているが一切関係ない。完全に[[風評被害]]である。
なお、[[SSD]]製品として非常に評判のよい[[Intel SSD 730]]シリーズと名称が似ているが一切関係ない。
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[[風評被害]]である。
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i740は1998年1月に発表された製品である。
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[[インテル]]が[[マーケティング]]を担当し、実際の開発は[[Real3D]]という[[セガ]]の[[アーケード基板]]として名を馳せた[[SEGA MODEL1]]、[[SEGA MODEL2]]、[[SEGA MODEL3]]の開発チームであった。
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実績も十分、事前の[[ベンチマークテスト]]でも素晴らしい数値を叩き出していた。
  
Intel 740は1998年1月に発表された製品である。
 
[[インテル]]が[[マーケティング]]を担当し、実際の開発は[[Real3D]]という[[セガ]]の[[アーケード基板]]として名を馳せた[[SEGA MODEL1]]、[[SEGA MODEL2]]、[[SEGA MODEL3]]の開発チームである。
 
事前のベンチマークテストでも桁違いの数値をたたき出していた。
 
 
当然のように誰もが期待した。
 
当然のように誰もが期待した。
  
 
===低性能===
 
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実際に登場したIntel 740は同時期に登場した[[NVIDIA]]の[[RIVA TNT]]にはまるで及ばず、それどころか前世代の[[RIVA 128]]にすら大敗する結果ほどの性能しかなかった。
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実際に登場したi740は同時期に登場した[[NVIDIA]]の[[RIVA TNT]]にはまるで及ばず、それどころか前世代の[[RIVA 128]]にすら大敗する悲惨な性能であった。
そのため全国どころか全世界の[[パソコンショップ]]でいきなり投げ売りであったという。
 
  
だが、このIntel 740の投げ売りが更なる悲劇を生んだ。
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そして発売直後から全国どころか全世界の[[パソコンショップ]]でいきなり投げ売りという凄い状況に陥った。
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だが、このi740の投げ売りが更なる悲劇を生んだ。
  
 
===投売り===
 
===投売り===
Intel 740は性能以前に、そもそもの安定性と各種パーツとの相性に絶望的な欠陥を抱えていたのであった。
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i740は性能以前に、そもそもの安定性と各種パーツとの相性に絶望的な欠陥を抱えていたのだ。
  
 
20世紀末は[[自作PC]]の絶頂期であり、インテル互換の[[CPU]]に、インテル互換の[[チップセット]]、[[AMI]]、[[AWARD]]、[[Phoenix]]など色とりどり各種[[BIOS]]が存在していた時代である。
 
20世紀末は[[自作PC]]の絶頂期であり、インテル互換の[[CPU]]に、インテル互換の[[チップセット]]、[[AMI]]、[[AWARD]]、[[Phoenix]]など色とりどり各種[[BIOS]]が存在していた時代である。
Intel 740はインテル製品で固めても動作が怪しいのに、これらと組み合わせれば悲劇が起きないほうが不思議なくらいなのは言うまでもない。
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i740はインテル製品で固めても動作が怪しいのに、これらと組み合わせれば悲劇が起きないほうが不思議なくらいなのは言うまでもない。
  
だが、大多数の一般人はそこまで知識がなかった。
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そして当然のように当時流行していた[[AMD]][[SIS]][[VIA]]などの[[半導体チップ]]を積んだ[[マザーボード]]にi740を搭載すると「起動中に[[フリーズ]]する」「[[BIOS]]の起動すらしない」などの事件が多発し、[[パソコンショップ]]の店頭には注意喚起の張り紙がなされる事態にまで発展した。
まだ[[インターネット]]も普及したとは言えず一部[[キモヲタ]]だけのものだった時代であり、だれもが雑誌に掲載された詐欺まがいの[[ベンチマーク]]を信じていたのである。
 
当時は[[オンボードGPU]]を搭載した製品は[[MediaGX]]くらいしかなく、[[マザーボード]]には[[ビデオカード]]を搭載するのが当たり前の時代でもあった。
 
最低限の画面を写すだけであったも[[ビデオカード]]が必要であり、[[ゲーム]]などをしない人たちは「安い」という理由で我先にと激安Intel 740を買った。
 
  
当時流行していた[[AMD]][[SIS]][[VIA]]などの[[半導体チップ]]を積んだ[[マザーボード]]に搭載すると、起動中に[[フリーズ]]する、[[BIOS]]の起動すらしないなどの事件が多発し、[[パソコンショップ]]の店頭には注意喚起の張り紙がなされる事態にまで発展した。
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だが、時は20世紀末は自作PCの絶頂期、ド素人までもが[[自作PC]]に手を出し、その大多数の一般人はそこまで知識がなかった。まだ[[インターネット]]も普及したとは言えず一部[[キモヲタ]]だけのものだった時代であり、だれもが雑誌に掲載された「詐欺まがいの[[ベンチマーク]]」を信じていたのである。
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また、当時は[[オンボードGPU]]を搭載した製品は[[MediaGX]]くらいしかなく、[[マザーボード]]には[[ビデオカード]]を搭載するのが当たり前の時代でもあった。最低限の画面を写すだけであっても[[ビデオカード]]が必要であり、[[ゲーム]]などをしない人たちは「安い」という理由で我先にと激安i740を買ってしまったのである。
  
 
そして更なる投げ売りで[[負のスパイラル]]が完成した。
 
そして更なる投げ売りで[[負のスパイラル]]が完成した。
  
 
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2022年3月29日 (火) 04:34時点における最新版

Intel 740(通称:i740)とは、20世紀末の自作PC界を震撼させたインテル製のGPUおよびグラフィックボードである。

概要[編集 | ソースを編集]

ウンコ、いわゆるクソである。最近SSD製品として非常に評判のよいIntel SSD 730シリーズと名称が似ているが一切関係ない。完全に風評被害である。

i740は1998年1月に発表された製品である。 インテルマーケティングを担当し、実際の開発はReal3Dというセガアーケード基板として名を馳せたSEGA MODEL1SEGA MODEL2SEGA MODEL3の開発チームであった。

実績も十分、事前のベンチマークテストでも素晴らしい数値を叩き出していた。

当然のように誰もが期待した。

低性能[編集 | ソースを編集]

実際に登場したi740は同時期に登場したNVIDIARIVA TNTにはまるで及ばず、それどころか前世代のRIVA 128にすら大敗する悲惨な性能であった。

そして発売直後から全国どころか全世界のパソコンショップでいきなり投げ売りという凄い状況に陥った。

だが、このi740の投げ売りが更なる悲劇を生んだ。

投売り[編集 | ソースを編集]

i740は性能以前に、そもそもの安定性と各種パーツとの相性に絶望的な欠陥を抱えていたのだ。

20世紀末は自作PCの絶頂期であり、インテル互換のCPUに、インテル互換のチップセットAMIAWARDPhoenixなど色とりどり各種BIOSが存在していた時代である。 i740はインテル製品で固めても動作が怪しいのに、これらと組み合わせれば悲劇が起きないほうが不思議なくらいなのは言うまでもない。

そして当然のように当時流行していたAMDSISVIAなどの半導体チップを積んだマザーボードにi740を搭載すると「起動中にフリーズする」「BIOSの起動すらしない」などの事件が多発し、パソコンショップの店頭には注意喚起の張り紙がなされる事態にまで発展した。

だが、時は20世紀末は自作PCの絶頂期、ド素人までもが自作PCに手を出し、その大多数の一般人はそこまで知識がなかった。まだインターネットも普及したとは言えず一部キモヲタだけのものだった時代であり、だれもが雑誌に掲載された「詐欺まがいのベンチマーク」を信じていたのである。

また、当時はオンボードGPUを搭載した製品はMediaGXくらいしかなく、マザーボードにはビデオカードを搭載するのが当たり前の時代でもあった。最低限の画面を写すだけであってもビデオカードが必要であり、ゲームなどをしない人たちは「安い」という理由で我先にと激安i740を買ってしまったのである。

そして更なる投げ売りで負のスパイラルが完成した。

関連項目[編集 | ソースを編集]