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2015年7月7日 (火) 07:17時点における最新版
エミュレーター(英語:emulator、略語:emu)とは、あるコンピューターを模倣するソフトウェアのことである。そこで動く擬似的なコンピューターは仮想マシン(英語:virtual machine)などとも呼ばれ、企業などでは単に「vm(読み:ゔいえむ)」などとも呼ばれる。
目次
概要[編集 | ソースを編集]
1960年代、最近流行のVMwareやHyper-V、XenServerなどのハイパーバイザーや、その発展系でリクエストに応じてWindowsなどのデスクトップOSの入った仮想マシンを動的に作る「デスクトップ仮想化」も、実のところメインフレームを中心とするエンタープライズの世界では既に当たり前の形態であった。むしろ、それしかなかった。
だが、1980年前後から、これらの利用形態はコンピューターの驚異的な高性能化と小型化、そして爆発的な普及によって絶滅危惧種となっていった。なんでもかんでもパソコンでやる時代が到来したのである。中央集権を悪とする風潮が世に蔓延し、その結果、統制の効かないシステム、導入コストと同期して下げられる運用コスト、集中管理できないことによるトラブル対応時間の増加など、企業を裏から支えるシステム管理者たちには絶望だけが残った。
その目も虚ろなシステム管理者たちの救いは意外なところからやってきた。1990年代末に大流行した家庭用ゲーム機のエミュレーターである。これらはグレーゾーンやアングラと呼ばれ法的にも微妙な状態であったが、それらを専門に開発販売する企業が現れるなどビジネス化までされていた。だがPlayStaitonをMac上でほぼ完璧にエミュレートしたConnectix社のVirtual Game Stationが裁判となったのが衰退の決定打となった。裁判の結果ではなく、裁判が長引くことによる大企業の兵糧攻めに太刀打ちできなかったのである。小規模ビジネスの終焉である。
だが、Connectix社のプログラマーたちも餓死するわけにはいかない。そして生き残りをかけ進出したのがパソコンのエミュレーターであり「Virtual PC」であった。これは手軽にデバッグ環境を作れるとデスマーチに苦しむプログラマーたちを中心に大人気を博した。その後のVirtual PCとVMwareの二大エミュレーターの壮絶な戦いは戦場をサーバーに移しHyper-VとvSphereの戦いへと発展してゆくことになる。
そして2000年初めにはパソコンの高性能化と仮想化システムの劇的な低価格化により、その存在すら知らなかった貧乏人でも手が出せるようになったことで、サーバーの仮想化がブームとなり、その延長線上として2010年ごろにはデスクトップPCの仮想化によるシンクライアントが微妙なブームとなった。