Metal
Metal(読み:めたる)とは、2014年にアップルが発表したMacOSとiOS向けの3DグラフィックスおよびコンピュートシェーダーのAPI群である。
目次
概要
AMDのMantleに端を発した低レベルにGPUを叩くAPIのひとつであり、DirectX 12やVulkanなどと競合する。
点を1点表示するにも、線を1本引くにも、ビットマップを1つ表示するにも、自前でシェーダーを書く必要がある超めんどくさいやつだ。
強制
アップルはOpenGLおよびOpenGL ESを廃止しMetalへの移行を呼びかけている。 ただOpenGLからMetalへの移植作業はとんでもない作業量であるため今なおOpenGLを使っているアプリも多い。 そのうち「Deprecated API Usage」が飛んでくるので気をつけよう。
CPU側からの呼び出し
MatalはDirect3D12やVulkanなどと同様にコマンドリストを作って投げ込む方式を採用している。GPUをストールさせない方式として最近の流行りだな。
シェーダーの種類
Metalで使えるプログラマブルシェーダーはバーテックスシェーダーとフラグメントシェーダーとコンピュートシェーダーの3種類だ。MacOS 11.12 Sierra以降、iOS 10以降はテッセレーターが使えるようになったぞ。相変わらずジオメトリシェーダーなどという軟弱な概念はない。
シェーディング言語
シェーディング言語は独自のMetal Shading Language(通称:MSL)を採用している。
fragment half4 frag(VertexOut input [[stage_in]], constant Uniforms &uniforms [[buufer(0)]]) {
return half4(1.0);
}
何シェーダーなのかは関数の頭に「fragment」や「kernel」などと付けて宣言する。 GLSLの何シェーダーなのか意味不明すぎる「void main()」よりわかりやすいな。
引数名の後ろには「どこから来た」「なにに使う」かなどを指定するセマンティクスが付く。 HLSLに似ているな。 ただ中括弧が2個ワンセットとかLISPほどではないがカッコがうぜぇ。
定数バッファ(ユニフォーム変数)は引数として参照渡しされている。 ここはちょっと独特だな。
戻り値はHLSLと同じく「return」だ。 GLSLの意味不明な「gl_FragColor」だ「gl_FragData」だより遥かにわかりやすいな。
備考
OpenGLとGLSLからの移植だとGLSLをSPIR-VにコンパイルしてVulkan(MoltenVK)で動かした方が楽かもしれない。ここだけの話、HLSLやGLSLで書いてSPIRV-Crossを使ってMSLを生成した方が捗るよ。
デバッグ
XcodeのiOSシミュレーターでMetalが使えるようになった。
- macOS 10.15 Catalina以降
- Xcode 11以降
歴史
Metal 1
- 2014年6月2日発表
Mac
- ハードウェア: 2012年以降発売のMac
- ソフトウェア: OS X 10.11 El Capitan以降を搭載
iPhone / iPad
- ハードウェア: Apple A7以降のSoCを搭載した製品
- ソフトウェア: iOS 8以降
Metal 1 密かにマイナーチェンジ
- macOS 11.12 Sierra
- iOS 10
テッセレーターが使えるようになった。
Metal 2
- 2017年6月5日発表
- OS X 10.13 High Sierra以降を搭載
- iOS 11, tvOS 11
ハードウェアの要件は変わっていない。 ただし一分機能はApple A11以降でないと動かない。内容によっては対応確認処理が必要となる。