「HLSL (High Level Shader Language)」の版間の差分

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'''High Level Shading Language'''(読み:はいれべるしぇーでぃんぐらんげーじ、通称: [[HLSL]])とは、[[マイクロソフト]]によって[[Direct3D]] ([[DirectX]])向けに[[開発]]された[[プログラマブルシェーダー]]のための[[シェーディング言語]]である。
 
'''High Level Shading Language'''(読み:はいれべるしぇーでぃんぐらんげーじ、通称: [[HLSL]])とは、[[マイクロソフト]]によって[[Direct3D]] ([[DirectX]])向けに[[開発]]された[[プログラマブルシェーダー]]のための[[シェーディング言語]]である。
  
== 概要 ==
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==概要==
HLSLは大雑把にいえば[[シェーダー]]特化型の汎用的な[[プログラミング言語]]である。[[アセンブラ]]みたいな[[言語]]とGPUメーカー独自の言語しかない状況で颯爽と登場した[[高級言語]]である。
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HLSLは[[シェーダー]]特化型の汎用的な[[プログラミング言語]]である。
  
HLSLは環境依存が非常に低い言語であるため[[DirectX]]以外にも[[MonoGame]]や[[PlayStation]]([[サブセット]]の[[PSSL]])などにも採用されている。[[Unity]]に至っては[[OpenGL]]向けの実装であっても[[GLSL]]ではなくHLSLの利用が推奨されている。
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HLSLは[[NVIDIA Cg]](以下[[Cg言語]])の方言であり、Cg言語から安定した仕様のみを採用したサブセットである。
  
== 扱えるパイプラインステージ ==
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かつてシェーディング言語は、古い技術で固めた「汎用性の[[GLSL]]」と、最新鋭の技術を次々取り込む「突撃仕様の[[Cg言語]]」の二択であった。そして[[ネット]]に溢れかえる情報は「最新技術動向」が中心であるためCg言語が圧倒的な勢力となっていった。
=== SM 1.x〜3.0 (Direct3D 9) ===
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* [[バーテックスシェーダー]]
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しかしならがCg言語は[[NVIDIA]]製でありNVIDIA製品でしか使えない。そこで「[[NVIDIA]]製の[[Cg言語]]」を「[[マイクロソフト]]製のHLSL」とすることで[[AMD]]や[[Intel]]などの他社も[[宗教上の理由]]を回避して利用できるようにした。
* [[ピクセルシェーダー]]
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その後も「最新仕様のCg言語」と「安定仕様のHLSL」というベータ版とリリース版のような体制が続けられたが、2012年にCg言語が更新終了し、以降はHLSLに一本化された。
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== サブセット ==
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HLSLは環境依存の非常に低い言語であるため、そのサブセットが多数存在する。たとえば[[MonoGame]]や[[PlayStation]]([[サブセット]]の[[PSSL]])などが採用ある。[[Unity]]に至っては[[OpenGL]]向けの実装であっても[[GLSL]]ではなくHLSLの利用が推奨されている。また、OpenGL後続となる[[Vulkan]]でもGLSLに加えHLSLのサポートが追加された。
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==シェーダーとエフェクト==
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HLSLで書かれた[[プログラム]]の[[ソースコード]]は「エフェクトファイル(拡張子:[[.fxファイル]])」と呼ばれる。[[MonoGame]]なんかだとfxファイルを[[コンパイル]]して出来上がったものはEffectクラスで保持される。
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厳密には「各パイプラインステージでの処理を1つのソースコードに書いたもの」が「エフェクトファイル」なのだが、9割[[ピクセルシェーダー]]で処理してるだけだったりするので実質的にイコールであることが多い。
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つまり、これが原因で「シェーダー」を指して「エフェクト」と呼ばれることが多々あるのである。非常に紛らわしいがどっちもほぼ同じ意味である。[[ゲーム]]界隈で「エフェクト」と言われたらシェーダーの事かもしれないので注意しよう。
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==扱えるパイプラインステージ==
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HLSLで扱える機能(パイプラインステージ)は環境により異なる。どの機能が使えるかという制限は大雑把に「[[シェーダーモデル]](英語:Shader Model、通称:SM)」という言葉で表される。2018年時点では「[[PC]]から[[スマホ]]までカバーするSM3.0」と、[[ハイエンドPC]]を想定した「それ以上」の2種類に大分類されると考えておけばよい。
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なお、実行環境によりさらに細かな制限がある場合もある。
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===SM 1.x〜3.0 (Direct3D 9)===
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*[[バーテックスシェーダー]]
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*[[ピクセルシェーダー]]
  
 
[[MonoGame]]などのサブセットではほぼこれである。
 
[[MonoGame]]などのサブセットではほぼこれである。
[[iOS]]や[[Android]]で幅広い機種をサポートするためには致し方ない感じである。
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[[iOS]]や[[Android]]で幅広い機種をサポートするためには致し方ない感じである。また、[[OpenGL ES]]系では[[バーテックスシェーダー]]の書き戻しができないなどの制限もあり、それらは実行時にはじめてエラーになる。気をつけよう。
また、[[OpenGL ES]]系では[[バーテックスシェーダー]]の書き戻しができないなどの制限もあり、それらは実行時にはじめてエラーになる。気をつけよう。
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=== SM 4.x (Direct3D 10) ===
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===SM 5.x (Direct3D 11/12)===
* [[ジオメトリシェーダー]]
 
  
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*[[ハルシェーダー]]
* [[ハルシェーダー]]
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*[[ドメインシェーダー]]
* [[ドメインシェーダー]]
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*[[コンピュートシェーダー]]
* [[コンピュートシェーダー]]
 
  
== 関連項目 ==
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==関連項目==
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* [[HLSLの組み込み関数]]
  
== 参考文献 ==
 
{{reflist}}
 
  
{{stub}}
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[[category: コンピューター・グラフィックス]]
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[[category: 3DCG]]
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[[category: シェーディング言語]]
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[[category: HLSL]]

2022年10月26日 (水) 06:51時点における最新版

High Level Shading Language(読み:はいれべるしぇーでぃんぐらんげーじ、通称: HLSL)とは、マイクロソフトによってDirect3D (DirectX)向けに開発されたプログラマブルシェーダーのためのシェーディング言語である。

概要[編集 | ソースを編集]

HLSLはシェーダー特化型の汎用的なプログラミング言語である。

HLSLはNVIDIA Cg(以下Cg言語)の方言であり、Cg言語から安定した仕様のみを採用したサブセットである。

かつてシェーディング言語は、古い技術で固めた「汎用性のGLSL」と、最新鋭の技術を次々取り込む「突撃仕様のCg言語」の二択であった。そしてネットに溢れかえる情報は「最新技術動向」が中心であるためCg言語が圧倒的な勢力となっていった。

しかしならがCg言語はNVIDIA製でありNVIDIA製品でしか使えない。そこで「NVIDIA製のCg言語」を「マイクロソフト製のHLSL」とすることでAMDIntelなどの他社も宗教上の理由を回避して利用できるようにした。

その後も「最新仕様のCg言語」と「安定仕様のHLSL」というベータ版とリリース版のような体制が続けられたが、2012年にCg言語が更新終了し、以降はHLSLに一本化された。

サブセット[編集 | ソースを編集]

HLSLは環境依存の非常に低い言語であるため、そのサブセットが多数存在する。たとえばMonoGamePlayStationサブセットPSSL)などが採用ある。Unityに至ってはOpenGL向けの実装であってもGLSLではなくHLSLの利用が推奨されている。また、OpenGL後続となるVulkanでもGLSLに加えHLSLのサポートが追加された。

シェーダーとエフェクト[編集 | ソースを編集]

HLSLで書かれたプログラムソースコードは「エフェクトファイル(拡張子:.fxファイル)」と呼ばれる。MonoGameなんかだとfxファイルをコンパイルして出来上がったものはEffectクラスで保持される。

厳密には「各パイプラインステージでの処理を1つのソースコードに書いたもの」が「エフェクトファイル」なのだが、9割ピクセルシェーダーで処理してるだけだったりするので実質的にイコールであることが多い。

つまり、これが原因で「シェーダー」を指して「エフェクト」と呼ばれることが多々あるのである。非常に紛らわしいがどっちもほぼ同じ意味である。ゲーム界隈で「エフェクト」と言われたらシェーダーの事かもしれないので注意しよう。

扱えるパイプラインステージ[編集 | ソースを編集]

HLSLで扱える機能(パイプラインステージ)は環境により異なる。どの機能が使えるかという制限は大雑把に「シェーダーモデル(英語:Shader Model、通称:SM)」という言葉で表される。2018年時点では「PCからスマホまでカバーするSM3.0」と、ハイエンドPCを想定した「それ以上」の2種類に大分類されると考えておけばよい。

なお、実行環境によりさらに細かな制限がある場合もある。

SM 1.x〜3.0 (Direct3D 9)[編集 | ソースを編集]

MonoGameなどのサブセットではほぼこれである。 iOSAndroidで幅広い機種をサポートするためには致し方ない感じである。また、OpenGL ES系ではバーテックスシェーダーの書き戻しができないなどの制限もあり、それらは実行時にはじめてエラーになる。気をつけよう。

SM 4.x (Direct3D 10)[編集 | ソースを編集]

SM 5.x (Direct3D 11/12)[編集 | ソースを編集]

関連項目[編集 | ソースを編集]