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2020年6月24日 (水) 08:31時点における版
Vulkan(読み:ゔぁるかん)とは、米国LunarG社が開発した3DCG向けのAPIである。現在はLunarGからクロノスグループに寄贈され表向きは同団体が管理している。
Vulkan SDKはLunarGのサイトからダウンロードできる。
概要
大雑把にいえばVulkanはDirect3D 12やMetalと同等品であるのパクリである。
もともとはValve(の子会社のLunarG)がSource EngineおよびSteamOSを開発するにあたり、あまりにOpenGLが絶望的な状況であるため、その代替品として開発を始めたものである。
- OpenGLでムカつくこと
- OpenGLドライバー品質の実情
後にGoogleがAndroidへのVulkanの採用を決め、LunarGから派遣社員を雇い入れたことから、現在は「Googleの意向」が非常に強く反映されている。SteamOSもSteam Machineも大流行には至らなかったこともあり、実質的にVulkanはAndroid専用APIとなりつつある。
OpenGLの各種APIといえば頭文字「gl」であったがVulkanでは頭文字「vk」になった。
OpenGLからの大きな違いとしてはパイプラインの概念が登場し、なんでもかんでもシェーダーで処理するようになっている。Vulkanでは直線や円を描くなどちょっとしたことでも自前で壮大なシェーダーを用意して処理しなければならない。
シェーディング言語
OpenGLと異なりVulkanでは「SPIR-V」という中間コードにコンパイルする方式が採用されている。
GoogleがDirectX Shader Compilerを魔改造した結果、HLSLからSPIR-Vを出力できるようになった。このためVulkanではOpenGLのGLSLとDirectXのHLSLのどちらも利用できる。
- MacでDirectX Shader Compilerをビルドする
- DirectX Shader CompilerでSPIR-Vを出力する
- SPIR-VからGLSLを生成する
- SPIR-VからHLSLを生成する
利用
Windows
しらん。
Linux
しらん。もともとはLinuxベースのSteamOSでOpenGLを置き換える目的で開発されたものなので一番まともに動くはずだが試してはいない。LinuxでVulkanを試すならSteamOSを入れるのが一番手っ取り早いと思われる。
Android
Androidはだいたいいける。というかVulkanがOS標準なのはAndroidくらいであり、実質的にVulkanはAndroid専用APIだ。そもそもAndroid以外でVulkanを使っているという話は聞いたことがない。
ただしAndroid SDKに付属のエミュレーターでは動かないぞ。公式エミュレーターではvkEnumeratePhysicalDevicesメソッドを呼び出しても何も返ってこない。残念。
Android 10からは「Vulkan対応」が必須要件となった。
macOS
macOSではMoltenVKを利用する。とりあえず動くのは確認した。